アイドル君と私
そして映画が終わると、2人は外へ。
「次も…決まってるの?」
「うんっ、次は飯だよねっ?近くにオープンカフェがあるから、そこ行こ?」
「…はい」
おしゃれな人だなぁ…。
お店に着いて、咲は店内をキョロキョロとする。
「どうしたの?咲っ」
「あっ…いや、あんまりこういう所来ないからっ」
「へぇー?そうなんだっ」
廉くんとは、いつも個室だったから…。
そんな事を思い出して、咲はハッとする。
私…なに思い出して…
頭を左右に振る。
「どうかした?」
「あっ…ううんっ、そういえば勇介くんは仕事会社員って…」
「そうだよ?普段はスーツ、なに?好きっ?」
「えっ!?いや…そういう意味じゃ……何の会社か聞いてなかったから…」
「あ~なんだっ、まぁ…簡単に言うとIT系だよねっ?」
「……へぇーIT系…」
すごい…
私には、一生縁がなさそう。
「何?サラリーマンは嫌い?」
「全然っ…普通だと思いますっ」
「ははっ、何普通って~」
笑う勇介に、咲は眉を下げて薄っすら笑みを返す。
“普通の…人”
廉くんは…一般人じゃないんだよね?
……って
私、また廉くんのこと思い出してる。
ダメだな…