アイドル君と私


そして映画が終わると、2人は外へ。


「次も…決まってるの?」


「うんっ、次は飯だよねっ?近くにオープンカフェがあるから、そこ行こ?」


「…はい」


おしゃれな人だなぁ…。


お店に着いて、咲は店内をキョロキョロとする。


「どうしたの?咲っ」


「あっ…いや、あんまりこういう所来ないからっ」


「へぇー?そうなんだっ」


廉くんとは、いつも個室だったから…。


そんな事を思い出して、咲はハッとする。


私…なに思い出して…


頭を左右に振る。


「どうかした?」


「あっ…ううんっ、そういえば勇介くんは仕事会社員って…」


「そうだよ?普段はスーツ、なに?好きっ?」


「えっ!?いや…そういう意味じゃ……何の会社か聞いてなかったから…」


「あ~なんだっ、まぁ…簡単に言うとIT系だよねっ?」


「……へぇーIT系…」


すごい…
私には、一生縁がなさそう。


「何?サラリーマンは嫌い?」


「全然っ…普通だと思いますっ」


「ははっ、何普通って~」


笑う勇介に、咲は眉を下げて薄っすら笑みを返す。


“普通の…人”


廉くんは…一般人じゃないんだよね?


……って


私、また廉くんのこと思い出してる。


ダメだな…



< 502 / 545 >

この作品をシェア

pagetop