アイドル君と私
「おー海久々だなぁ~」
そう言って背伸びをする勇介。
そんな勇介と並んで、咲も海を眺める。
そして…
廉と出かけた、地元の海…
そして、あの旅行の日の…綺麗な海。
その風景の中の……廉の笑顔を…
思い出してしまうと、咲はふっ…と笑った。
ダメだ
私…どこに行っても、
廉くんのことばかり…思い出してしまう。
「………。」
もう少しで、咲の瞳に涙が溜まりそうな時、
勇介が声をかける。
「座ろう?咲っ」
「……うん」
勇介と少し間をあけて、咲は座る。
2人はただ、海を眺める。
そして…。
「なんか……ヤバイな?俺っ…」
「えっ…?なにが?」
私に…呆れてる?
すると勇介は、真剣な瞳で咲を見てくる。
「俺…本気になっちゃうかもっ…咲のこと…」
「…えっ…」
…ウソ…?
「今日…一緒にいて、もっと咲といたいと思った…」