アイドル君と私
いつか…
ある日、咲の部屋に来ていた望が、
突然声を挙げる。
「えっ!?じゃぁ彼氏出来たのっ!?」
「いやっ…だから勇介くんは彼氏とかじゃないよっ」
「だって、そんなの告白されたようなもんじゃんっ」
「そんな風に言われたわけじゃ…」
「じゃぁ、付き合って下さいって言われたらどうするの?」
「それは…」
と、咲が視線を泳がせた時、
TVの中で、廉のCMが流れる。
廉の声にドキッとして、思わず画面を見てしまった咲がうつむく。
そんな咲を見て望は一息吐く。
「……まだか…」
「……えっ?」
「私はさ…咲がその人の事が好きで…幸せなら、それでいいのよ…」
「…望…」
「ちゃんと考えてね…?」
笑顔でそう言った望に咲は、少しニコッと返す。
そして望が帰って、洗い物をしながら咲は思った。