アイドル君と私


そうだよね…


私、いつまでも廉くんの声と姿に
反応してちゃダメだよね?


ちゃんと…直さないといけないのかもしれない


そう、思った咲の後ろで、
TVの電源は切られていた…。



ー翌日ー


仕事終わりの咲は、麻里と一緒にお店を出ていた。


「で?で?どうなったんですかぁ~?高山さんとは?」


「だからーどうにもなってないってばっ」


「またまたぁ~2人お似合いだと思いますよ?」


「えっ…」


“お似合い…”


私と…勇介くん…?


自分では、分からないなぁ。


すると、麻里が足を止める。


「…あっ!」


「えっ?なに?」


麻里の視線の先を見ると、見覚えのある車が停まっていた。


「…あの車…」


「えっ?まさか、高山さんですかっ?」


「えっ…と…」


咲が戸惑っていると、その車のドアが開きスーツ姿の勇介が降りてきた。


「咲っ」


「……勇介くん」


「あっ!やっぱり高山さんっ」


「おっ、麻里ちゃんお疲れー」


「お疲れ様ですっ、あっ!もしかして…お迎えですかぁ?」


「まぁ、そうなんだよねっ?」


「…なっ!?」


そう言って勇介が自慢気に前髪をかきあげる。



< 509 / 545 >

この作品をシェア

pagetop