アイドル君と私
そうだよね…
私、いつまでも廉くんの声と姿に
反応してちゃダメだよね?
ちゃんと…直さないといけないのかもしれない
そう、思った咲の後ろで、
TVの電源は切られていた…。
ー翌日ー
仕事終わりの咲は、麻里と一緒にお店を出ていた。
「で?で?どうなったんですかぁ~?高山さんとは?」
「だからーどうにもなってないってばっ」
「またまたぁ~2人お似合いだと思いますよ?」
「えっ…」
“お似合い…”
私と…勇介くん…?
自分では、分からないなぁ。
すると、麻里が足を止める。
「…あっ!」
「えっ?なに?」
麻里の視線の先を見ると、見覚えのある車が停まっていた。
「…あの車…」
「えっ?まさか、高山さんですかっ?」
「えっ…と…」
咲が戸惑っていると、その車のドアが開きスーツ姿の勇介が降りてきた。
「咲っ」
「……勇介くん」
「あっ!やっぱり高山さんっ」
「おっ、麻里ちゃんお疲れー」
「お疲れ様ですっ、あっ!もしかして…お迎えですかぁ?」
「まぁ、そうなんだよねっ?」
「…なっ!?」
そう言って勇介が自慢気に前髪をかきあげる。