アイドル君と私
「 きゃー!それはお邪魔ですねっ?
私はお先に失礼しますっ」
「えっ…ちょっと麻里ちゃん?」
「先輩、お疲れ様でーすっ」
麻里は手を振って先に行ってしまった。
咲はボー然とする。
すると、咲の元へ勇介が近づいてきて、
咲の肩を抱く。
「さっ、帰ろうか?咲っ」
「えっ!?ちょ…ちょっと待って下さいっ」
咲は勇介から離れる。
「あのっ…どうしてここに?」
「えっ?どうしてって…咲を迎えに来たんじゃん?」
「私…頼んでませんっ」
「そうだよ?俺が会いたかったから来たのっ、
ダメだった?」
「……ダメっていうか、その…」
「なーに?まだ俺の事警戒してるの?」
「……っ」
「大丈~夫、気持ちも通じ合ってないのに、襲ったりしないからっ」
「なっ…!?」
「さっ、送るから乗って乗って~」
咲は勇介に車に乗せられ、咲のアパートに向かった。
車の中で鼻歌を歌いながら運転する勇介を見て、咲は思った。
この人の行動…
やっぱり、読めない。
と、その時車のラジオから音楽が流れてくる。