アイドル君と私
選択
咲が勇介と出会ってから、
2ヶ月後ー。
2人は付き合っていなく、曖昧な関係を築いていた。
ある日、
半日、オフになった廉が変装して街をブラブラしていると、見覚えのある本屋に…立ち止まる。
「この本屋…」
廉が見上げた本屋は、咲と同じ系列店の本屋だった。
「この街にもあったんだ……いや、前からあったのかな?」
廉は少し笑みを浮かべて、その場を離れようとすると…。
「咲っ」
その名前と男の人の声に、廉が振り向くと、
路肩に停めていた車から、男が笑顔で誰かを見ていた。
「…まさか…」
廉のそんな独り言と共に、店の中から出てきたのはー。
「ごめんっ、おまたせっ…」
「……っ!!」
出てきた咲の姿に…廉は驚く。
笑顔で、廉の知らない男の人に近づく咲の姿を…つい、見てしまう。
勇介と話しながら、咲は…どこかからの視線に気づき…
廉と咲は、一瞬…目が合う。
「……えっ……」
沢山の人が行き交う中、
そして通り過ぎる人に混じるように、
廉は振り向き直し…その場を離れた。