アイドル君と私
勇介が再度、咲を見る。
「それでね?咲っ」
「…うん?」
すると勇介は、胸のポケットから何かを取り出し、そして中をパカッと開き咲の方に置くー。
「……これっ……」
驚く咲の前に出されたのは、
キラキラ光る婚約指輪だった…。
指輪を見て、ゆっくり勇介を見る咲。
そして勇介が口を開く。
「俺と……結婚して下さいっ」
「……えっ……」
結…婚…?
「……えっ!!?」
咲は、思わず大きな声を出す。
「おいっ、驚きすぎだろ?」
咲は口元を抑えて、勇介に言った。
「だって、私達まだ…付き合ってもなくって……それで結婚って…」
「タイミングがタイミングだから、俺も決めた事だけど…俺は2人に気持ちがあれば、結婚してもいいと思うっ」
「……えっ」
「咲が最近…笑顔を見せてくれるようになって、俺本当に嬉しいんだっ…」
「勇介くん…」
「俺は…本気だよ?時間とか、関係ないと思うっ」
「……っ」
「俺と一緒に……神戸に来て欲しいっ、一緒に…暮らそう?咲っ」
「………。」
咲はただ何も言葉に出来ずに、
勇介の瞳から少し視線を落とすー。