アイドル君と私
未来


季節の変わり目の匂いがし始めた頃ー。


ある夜、


7:00


廉は自分の気持ちを確かめる為、
咲と出会った本屋へー。


そして中に入り、店内を見渡し見覚えのある望に近づく。


「…こんばんはっ」


声をかけられ、本を運んでいた望が驚く。


「……っ!!?…廉っ!?」


「…あっ…」


ちょっと大きく声を挙げてしまった望に、
店内のお客さんがチラチラと見てくる。


焦った望は廉の腕を引っ張り、
奥の棚に走る。


「はぁー…ビックリしたっ」


「ははっ、ごめんね?驚かせて」


「いいけど…どうしたの?…って、
別にお客さん…か?」


「あー…うん、久々に来てみたくなって」


そう言って笑う廉に、思わず望もドキッとする。


と思ったのも束の間、望はハッとして廉に口を開く。


「廉っ、ちょうど良かった、話があるのっ」


「…えっ?」


「もし…廉もまだ咲のこと想ってくれてるなら……止めて欲しいのっ!」


「えっ…?なにを…?」


「咲の……結婚…」


「そっか…結婚………ん?」


廉はハッとして望を見る。


「……結婚っ!!?」


つい、大声をあげる廉にシーッ!と指を立てる望。


「ご…ごめんっ」


「そのリアクションだと、咲のこと想ってくれてるみたいね?…ねっ?お願いっ」


望が両手を合わせ、廉に頭を下げる。



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