アイドル君と私
「結婚って…でも俺、止めるって…」
かなりとまどう廉に、望がそっと口を開く。
「だって咲…望んでる結婚じゃないからっ」
「……えっ?」
「咲…きっと、廉のこと忘れる為に…結婚しようとしてるのよっ」
「……っ…俺のこと、忘れる為に…?」
廉の言葉に、望がうなづく。
「私は…ただ、人気者の廉と結婚して欲しいんじゃなくて、友達として咲が一番好きな人と一緒になって欲しいのっ…」
望の真剣な眼差しに廉は考える。