アイドル君と私
そして廉は咲の落とした雑誌を拾って、
咲に渡す。
「あっ…ありがとう…」
「ううんっ、それより…君に伝えたいことがあって…」
「……えっ?」
廉は咲の瞳を見る。
「…帰り、待ってるから…俺と会って欲しいっ」
「……っ……」
咲は驚き、廉を見る。
「……じゃぁ」
「…えっ…廉くっ…」
それだけ言って、廉は店を出て行った。
雑誌を抱え、咲は廉が出て行った先を見る。
「…廉くん…」
廉と出会った時と同じようなシチュエーションに、咲の鼓動はあの頃のようにドキドキしていたー。