アイドル君と私
「いや…そうかな?」
「そうだよ、とりあえず咲はさぁ?白石廉の事好きになってるの?」
「えっ…!?」
「んん!?」
咲にズイッと寄る望。
「そ…んなわけないでしょ?相手が相手よ?」
「ふーん?本当に?」
咲は黙って頷く。
「まぁね~?私も拓海が大好きだけど、実際会ったら、一線引くのかもなぁ―」
「えっ…?」
「何かリアルに考えられないっていうかぁ…」
「リアル…?」
「まぁ、とにかく咲っ!」
「大丈夫!」
「えっ?」
「大丈夫だからっ……好きになんてならないからっ」
「…咲…」
一瞬心配そうな顔をした望に、私はそう口にした。
「一般市民として、彼に協力してるだけだからっ」