アイドル君と私
幼稚園まで父の仕事の都合で、この町に住んでいただけ。
でも、海から見える星が綺麗な事を今でも覚えている…。
なんて事を、白石廉に話しながら車中を過ごした。
そして、夕方頃。
道の駅の駐車場で休憩する二人。
ジュースを持ちながら、私は白石廉に言った。
「…でも白石さん、星空見るにはまだ時間が…」
「あ―…そっか?」
廉はコーヒーを飲みながら、頭をかいていた。
「じゃあ…星野さんの住んでた付近案内して?幼稚園とか?」
「えっ…!?でも、そんな所でいいんですか?」
「うん!あっ…っていうか、前から思ってたけど…敬語はいーよ?」
「えっ!?でも…」
「ほら、同い年なんだしっ」
「でも、お客さんでもあって…」
「あ―…でも、今は違うしっ」