アイドル君と私
すると男の人は、さっきの三冊の雑誌を持ったまま、少しうつむきながら口を開いた。
「あの…これの先月号ってありますか?」
「えっ…?」
三冊の内の一冊を私の方に向けて、男の人はそう口にした。
「あっ…少々お待ち下さい、確認してみますね?」
「あっ…お願いします」
そう言って私は雑誌を一旦預かり、レジ裏のPCに向かった。
「はぁ―…ビックリしたぁ、そうか雑誌を調べて欲しかったのか…」
そんな独り言をボソッと言いながら、私はパソコンに向かった。
そして確認を終えて私は、急いで男の人の所にむかった。
メンズ雑誌を立ち読みしている男の人に、私は声をかける。
「すみませんっ…お待たせしました」
「あっ…はい」
男の人は持っていた雑誌を置き、私に振り返った。