アイドル君と私
そして次の日。
職場で突然望が泣き喚いてきた。
「咲――っ!うわぁーんっ!」
「どうしたの!?望っ?」
「うわぁーんっ!落ちたぁ~!!」
「えっ…?落ちた?何が?」
「Retのカウントダウンコンサート!!」
「えっ?カウントダウンコンサート?」
「うん!落ちたぁ~!!」
「あ~よしよし、とにかく落ち着いて?」
私は望の頭を撫でながら隣に座った。
「確かにRetのコンサートの倍率はスゴイもんね?」
「うん…でも行きたかったのに…」
「そっか…?」
「ぐすっ…それでね?」
「…ん?」
すると望は、泣き顔のまま口を開く。
「お願いっ咲!廉に頼んでチケット二枚もらって~」
「えっ!?なっ…何言ってんの!?ムリだよ―そんなことっ」