アイドル君と私
咲の言葉に望は、少し疑いな顔をしつつ口を開く。
「ふーん?お礼ね~?……まぁ、いいやっ!嬉しい!」
「よ…良かったね?」
「うん!一緒に行こう?咲っ」
「…うんっ」
「楽しみだね~」
ルンルンな望をよそに、咲は少し戸惑っていた。
私…行っていいのかな?
本当に、
そう思い悩んだ咲は、メールの文章を眺めていた―。
――
そして、それから数日。
ある日の夜。
廉がチケットを渡しに、咲のアパート前に来ていた。
上着を羽織って、咲が廉の車に乗り込む。
「こ…こんばんわ」
「こんばんわっ」
相変わらずな廉の笑顔に、私はまた少しドキッとしてしまう。
そして、やっぱり仕事の日は黒っぽい服装が多いんだなぁ~と思った。