三回目のデート


「それじゃあ、三回目のデートなんだからさぁ……そろそろ……ねぇ♪」


 果奈ったら、なんかすごいニヤニヤしながらヒジを突いてくる。


「そろそろって……何が?」

「んもうっ!言わせないでよぉ!」

「ちょ、痛ぁ!」


 肩を思いっきり叩かれた。

 そして更に、私の耳元に口を近づけてきた。

 え、何を言うの?


「そろそろっつったらぁ……

『キ・ス』……でっしょ~う♪」


「!!キッ……」


 かっ、果奈ぁ~~!

 たった二文字でも、私には勇気のいる言葉で……とても、口に出しきれなかった。

< 12 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop