三回目のデート


「先輩!?ど、どうしたんですか!?」


 っ!ヤバッ!

 振り向かれたと同時に、贈り物を握った手を素早く後ろに回した。

 こんなものを見られたら、気まずさMax!


「いやっ、何でもないんだっ!」

「何でもないこと、なさそうな声でしたけど……」

「そっ、そう?えーと……あっ、相葉に対しての思い出し怒り!
 アイツさぁ、前の試合の時大事なところで、しょーもないミスしたからさぁ!ごめんごめん、ビックリさせちゃったな!ワッハッハー!」


 相葉を犠牲にして、出来るだけ明るく振るまい、出来るだけ豪快に笑った。


「そっ、そうですか。相葉君、よっぽどしちゃいけないミスをしたんですねー。先輩が、そんなに怒りに震えるぐらい……」


 あーごめんな、映見。また怖がらせて……

 責めるなら……一輝君を責めてくれ。

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