三回目のデート


 ……あ、そうだ。アレを聞かないと。

 しょっぱなからいろいろありすぎて、忘れるところだった。


「あ、映見……ちなみにさ」

「……はい」

「いきなり訊くけど……映見の誕生日って、いつ?」

「え?誕生日……ですか?」

「うん。そういえば、まだ聞いてなかったから……もしかして、過ぎてたりする?」


 内心ハラハラした。


「いえ。来月の30日です」


 聞いた瞬間……チカラが抜けた。


「そっか……過ぎてなくて良かったー」


 はぁ……セーフ……。


「確かにお互いの誕生日、知ろうとしませんでしたね」と、映見がクスクス笑った。


 映見で良かった。人によっては、こんな失態怒るよな。

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