三回目のデート


「……っ、よっしゃー!一つ目ゲット~♪」


 ぬいぐるみが落下して、取り出し口から姿を見せた。


「先輩、すごい!三回目で取れた!」


 先輩は「んふふ~♪」と嬉しそうに、ぬいぐるみをそっと取り出した。


「な、だから言ったろ?得意だって。というわけで映見ちゃん……どうぞ♪」

「え?」

「あげる。元・クマさんからの、クマのプレゼントだよ~♪」


 と、顔の前に掲げて、クマさんの腕を振らせながら言った。


「……いいんですか?」

「もっちろん。あと一つ取るから、それは妹に。そしたら、おそろになるけど♪」

「嬉しいー……ありがとうございます!」


 しかも、一番ほしいと思ってた茶色のクマさん。

 先輩が着てた着ぐるみも、茶色だったから。先輩……覚えてるかな。

 思わず……ギュッと抱きしめた。

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