三回目のデート


「あっとひっとつ♪
 ……よし、あの赤いのにするか!」

「あれですか。ちょっと奥にあるけど……」

「んふふ、元・クマさんにまっかせなさーい♪」


 先輩は再びクレーンを動かし始めた。

 クマさんか……去年の文化祭をすごい思い出す。

 先輩が私と一緒に回るために、クジを細工してくれたんだっけ。

 先輩はクマ役で……ふふっ、思い出すだけでおかしい。

 結局お化け屋敷は怖かったけど……先輩と文化祭過ごせて楽しかった。

 なのにあの翌日から、しばらく気まずくなっちゃったりもして……

 いろいろあったけど……先輩と想いが通じ合えてホントに良かった。


 私、これから先も……ずっと、後藤先輩だけがいい。


 ……後藤先輩……じゃなくて……

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