三回目のデート


「……あ、そういえばさ、先輩は映見のこと、名前で呼んでるんでしょう?」

「え?うん、そうだけど……」


 卒業式の次の日に会った時、名前を呼んでくれたのを境に、先輩は私を『映見』と呼ぶようになった。


「映見は……先輩を名前で呼んでみたいとは思わないの?」

「えっ!?そんな、先輩を名前で呼ぶなんてっ!」


 私にとっては、キ……キスと同じぐらい、ハードルの高い行為に感じる。

 弱気な私にイラついたのか、果奈がカウンターをバンッと叩いた。

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