三回目のデート
「え、映見っ!ごめん、ちょっと……さっきのレストランに忘れ物した!」
とっさにウソをつき、一度この場から離れようとした。
「え?わ、忘れ物?あ、じゃあ取りに行きましょう」
「あーっと、いいよっ。映見は待ってて。一人で取りに行ってくる」
映見が降りかけたところを、慌ててとめた。
「……いいんですか?」
「うん。そのカーナビでテレビでも見てて」
「テレビも見れるんですか?すごーい」
「ごめんな、すぐに戻ってくるから」
「大丈夫ですよ、焦らなくても。気をつけて行ってください」
快く見送る映見を車に残し、俺は外に出た。