三回目のデート


「じゃ、いただきまーす……」


 と缶コーヒーだけを掴んだつもりが……


「えっ……」


 映見の顔がボッと赤くなった。

 俺が勢い余って、映見の手ごと思いっきり握ってしまったから……

 これじゃあまるで……


『映見もいただきまーす』


 って、言ってるみたいか!?


「あ!ご、ごめっ!……」


 慌てて手を引っ込めたら、缶コーヒーが映見の足元にゴトッと落ちてしまった。

 あーもうっ。俺は何やってんだよー!

 手はさっきまで繋いで歩いていたクセに、こんなシチュエーションで動揺するって……どんだけ純情かっ!

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