三回目のデート
「あっ……ど、どうぞ!」
映見は缶コーヒーを拾い、両手で丁寧に差し出した。
「あ……ど、どうも!」
今度はさっきみたいに握らないように、そっと両手で受け取った。
手にしたと同時に、缶をプシュッと開けて一気に飲んだ。せっかくの差し入れなのに、味わって飲む余裕がなかった。
ぷはぁ、と口から離し、映見の方をチラッと見た。
烏龍茶のペットボトルを持ったままボーッとして一点を見つめている。
たくっ!俺まで照れてる場合か!ここでリードしないでどうする!
気持ちを落ち着かそうと、密かに深呼吸をした。