三回目のデート


「……映見。あのさ」

「あ、はい……」


 不意に話しかけられた映見は、体を少しだけピクッと振るわせた。


「俺……ドライブの最後に、二人で行きたいところがあるんだけど」


 さっきのサプライズ同様、また秘密めいたことを言った。


「……それも……後のお楽しみ……ですか?」


 映見は様子を伺うように、目を合わせた。


「……に、しておこうか?」

「うーん……少しだけ、言うとしたら?」

「そうだな……

 俺と映見にとって……思い出深い場所?」


 それを聞いた途端に、映見の顔が綻んた。


「それ……少しじゃないですね」

「やっぱり、わかっちゃった?」

「わかっちゃいました。だって……あそこしかないから」

「だよね」


 二人でクスクスと笑った。やっと自然に話せるようになれた。


 ……二人の思い出深い場所とは……一番最初にお互いを見掛けたあの場所のこと。

 いつか映見と来れたらいいなと、つき合い初めてからずっと思ってた。

 二人で思い出に浸って、今度こそ自分の意思で……

 映見とキスしたい。

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