三回目のデート
「……こんな感じでしたね」
「うん。こんな感じだった」
「あ。少し思い出したんですが……先輩、あの時髪が短くなかったですか?」
「うん、短かった」
「あ、やっぱり」
「映見も肩ぐらいの長さだったよね」
「はい」
些細なことを覚えてたってのが嬉しかった。自分でも、もうすっかり忘れちゃったかと思ってたから。
「……ホント、不思議だよなー。全くあかの他人同士だったのに、二人でここに来るなんて。あの時は想像すらしなかった」
「しないですよね。私だって、またこうして会えるなんて思わなかった。
『ジャージの王子様』に。ふふふっ」
そうだった。私……先輩を見た時そう思ったんだ。