三回目のデート
「ちょっと、映見ちゃん?何?その変なあだ名は」
「ごめんなさい。思い出しまして。
花ちゃんが『王子様みたい』って言った時に、隣を見たらジャージを着てたから、内心『ジャージの王子様か』って思って。
そしたらすっごいおかしくなって、笑いを堪えてたんです」
「それって、あんましカッコよくなさそうじゃない?」
「アハハ、そうですね。あ、じゃあ次の絵本は『ジャージの王子様』にしよう!」
「それって、絶対お笑い路線でしょ」
「はい、確実に。ひょうきんな先輩にピッタリ」
いいかも、それ。ホントに書こう。
「ちょっとかなり失礼ー。背負い投げよー!」
と、おネエになりきった先輩が、隣に座って来た。