三回目のデート


「ふふふ……実は今、油性マジックもってんだよねー」

「油性……マジック?」


 何でそんな物を?嫌な予感がする……。


「バカにした仕返しに……映見の手にイタズラ書きしてやる!」

「えぇー!?」


 嫌な予感、的中。


「絵心ない俺の作品を、しっかりと描いてあ・げ・る♪うふ」

「ウソ……先輩、やめてくださーい!」


 先輩の絵は、マズイ!

 前に試しにクマの絵を描いてもらったら、お世辞が言えないぐらいホンットに酷くて!お腹が痛くなるまで笑っちゃうぐらい。だからいくら先輩のでも、そんな絵を手に描かれたらさすがに……しかも油性!

 必死に引っこ抜こうとしても、やっぱりチカラが強すぎてビクともしない。


「映見ちゃん、観念しなさい♪」


 あ……手に何か違和感が!


「先輩、ホントにやめてっ……アハハ、くすぐったい!」


 背中しか見えなくて、どんな絵が描かれてるのか全然わからない!

 手を動かそうとしても、先輩がしっかり手を握っていてうまく抵抗出来ない!

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