三回目のデート


「兄ちゃん、お話し終わったぁー?」

「終わったけど……兄ちゃんはもう行くから、サッカーはおしまいだ」

「えー!まだ遊ぼうよー!」

「兄ちゃんからサッカー教わりたーい!」


 みんな、とても寂しそう。先輩を引っ張って離さない。


「アハハッ、わかったわかった!みんなはいつも、ここの公園で遊んでるのか?」

「うん、そうだよ」

「じゃあまた今度ここに来るから。そんときにまた遊ぼうな。約束!」

「ホントだな!絶対だぞー!」


 先輩、会ったばかりの小学生にこんなに好かれて……

 やっぱり先輩の人柄の良さが、小学生にもわかるんだ。

 私は顔だけ振り返り、ポカンと見ている春樹君達に会釈した。

 さようなら……春樹君。

 悲しい事実を知っちゃったけど……もういい。

 私は今……先輩が好きだから。

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