三回目のデート
*


 二人で公園内を歩いてると、池にさしかかった。すぐに一回り出来るぐらいの、こじんまりとした池だった。

 さっきの広場とは違って、人の気配がなく、ひっそりとしている。


「たくっ……とんでもないヤツだな。人の気持ちを、何だと思ってんだ!」


 私から春樹君のことを聞くと、先輩は腹ただしくした。


「脅しじゃなくて、ホントにボールをぶつけてやれば良かった」

「先輩……」

「あ……ごめん。こんなこと、言うもんじゃないよな。曲がりなりにも、映見の初恋だったわけだし……」

「気にしないで下さい。私も……正直ムカつきましたから」

「……あは、そっか」


 二人でクスクスと笑った。

< 222 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop