三回目のデート


 心臓が張り裂けそうな中……

 先輩の名前をシミュレーションした。


 そして……口を開いた。


 途端……


 果奈のぶりっこが

 脳裏を過った。



「っ……た…………崇っ…………」


「……っ、映見」


「キスしてっ…………」


「……………………え?」


「……………………え?」


 空気が、一瞬凍りついた。

 なんか血が、サァー……っとひいた。

 そっと見上げると、

 先輩は……顔が真っ赤に……。


 ウソ……

 今……私……『好き……』じゃなくて……


(キスしてっ……)


「ーーーーっ!!」


 キ、ス、し、てぇーーっ!?

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