三回目のデート


「崇と別れたら……オレと付き合って!」

「うん……って……え、えぇーっ!?」


 トイレどころの話じゃなかった!

 本気でビックリした!

 冬馬君!君は一体、何を言ってるの!?


「まぁ、別れてなくてもいいや!オレがうばい取ってやるし!」


 うばい取るってっ……

 これ、どう受け取ったらいいの!?その場しのぎで『いいよ♪』とか言った方がいいの!?


「えっと……ちょっ、ちょっと待って、冬馬君!冗談……だよね?ねっ?」

「ジョーダンじゃねぇぞ!オレ、本気だぞ!」


 ……ホントに本気みたい。ますます返答に困る。


「じゃあ……ど、どうして私を?」

「映見ちゃん、かわいいし、やさしいし、絵もスゲーうまいし。
 それにうちの母ちゃんが『本気で好きなら、彼氏がいても、うばい取っちゃえばいいのよ!』って教えてくれたんだ!」

「そう、なんだー……」


 冬馬君のお母さん……いい教育をしていますね。

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