三回目のデート


 ようやく離れると、崇はスケッチブックを閉じて「はい」と渡してきた。

 頭が……ポーッとする……。


「よしっ!休憩終わりっ!」


 そんな私をよそに、崇は背伸びをしながら立ち上がった。

 そのまま行くのかと思った……けど、ふと足を止めた。


「……映見」

「は、はいっ……」


 思わず背筋を伸ばした。


「冬馬のこと……好きになったらダメだからな」

「あ…………はい…………」


 こんなことされたら……冬馬君どころか、ますます崇一筋になっちゃうよ。


「……じゃ、行ってくるっ!」


 私に顔を見せないように、そのまま広場へと走っていった。

 けど……少しだけ、顔が見えた。


 崇……真っ赤になってた……。


 それは、たぶん……

 私もだけど……。

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