三回目のデート
「しかし、いかにもチャラそうだなーそいつ。
で?南琉、何もされなかったのか?」
「はい。百人一首の句を出題してみたら、一つも出来なかったので『全ての句を丸暗記出来ましたら、あなたのお誘いをお受け致します』と言いました。
そしたら、諦めて去って行きました」
「あ……そう……それなら良かった……」
相手が百人一首を知らなくて良かったよ。それに、それでアッサリと素直に引き下がるなんて……そこまで悪いヤツじゃなかったんだな。それも良かった。中には強引なヤツもいるし……。
しかし、南琉をナンパしたヤツの顔……ぜひとも見てみたいもんだ。