三回目のデート


「ありがとう、一輝……」

「そんな改まっていうほどじゃねぇし。
 それに……まだ仕上げがあるんだよ」

「……仕上げ?」

「そう……じゃーん!コレ♪」


 と、一輝が出したのは、キレイなヘアコーム。パールと、ピンクと水色のクリスタルが散りばめられている。


「それ……」

「可愛い弟からのプレゼント♪ホントは誕生日に渡そうかと思ったんだけど、その服に合いそうだったから、もうあげちゃうぞ♪」

「ウソ、一輝……」

「あ、言っちゃ悪いけど、全然高いもんじゃねぇからな!テキトーな店で買ったヤツだからよ。ホラッ、後ろ向いた」


 やだ……ジーンときちゃった。泣きそう。

 あの一輝が、私のためにここまで……。

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