三回目のデート
「……ん?ちょっとっ……強く刺しすぎてない!?」
すごい髪に入ってくると言うか。
刺すだけで、こんなにグイグイする?
「これぐらいしないと落ちるだろ?
……よしっ、出来たっ!」
と、一輝は私の頭を軽くポンッとした。
「……う~ん、完・璧♪どやっ!」
一輝は、また鏡を後ろにあてて見せた。
「わぁ……飾り一つつけただけで、また雰囲気が違う」
「さすが、オレ。偶然服にも合っちゃってるしー♪」
「一輝……ありがとうー……」
「ちょっ……姉ちゃん泣くなってー。
大したプレゼントじゃないって言ってるだろう?」
私はただ、一輝のその気持ちが嬉しかった。
もう。普段チャラチャラしてて、人のことをからかったりするクセに。
ここぞとばかりに優しい一面を出してくるんだから……。