ただ、逢いたくて
キーンコーン…
気が付くと今はもう、お昼休みの時間となっていた
授業も全く聞かないであたしなにやってんだろ…
隣の席が気になって仕方がない
その本人は、昨日のことが嘘だったかのように普通としていて、なんだか馬鹿みたいに思えてくる。
やっぱり……
からかわれてただけだよね
木村くんみたいに綺麗な顔してたら、女なんて何もしなくても寄ってきそうだし、あのキスだってなんだか慣れてたもん。
遊びとはいえ、遊ばれていたんだからすごくムカつく。
あたしも、知らないフリが出来たらいいのに…
だけど一度も彼氏がいなかったあたしにとって、それは初体験で忘れるわけがないんだ。
ファーストキスまで奪っておいてあの態度…
考えれば考えるほどムカついてきて――
「木村くんっ!!!」
そのまま、勢いで彼の机にバンッと手をつき、叫んでしまった。