ただ、逢いたくて


「ふぅ……ん…」

「……」

「あっ…やめ………ン…」



何故あたしがこんな状況になったかと言うと…

五分前――




あたしはあの状態のまま、昨日と同じく資料室に連れていかれた。

この教室…いつも鍵開いてるけど大丈夫なのだろうか。学校中の資料の全てがここにあるのに、なんて無防備な学校……


この高校を選んでよかったのか、と少し後悔してしまう。

どうしてここにしたのかと言うと、けいちゃんと同じ学校に行きたかったから

中学のとき、迷うことなく進路を決める紙に記入したが、周りからは猛反対されたっけ。

それは、あたしの頭があまりよろしくないからだけど。だから、受けなくても結果は決まっているとでも思ったのだろう…


けど、あたしの強運なおかげなのか、はたまた、けいちゃんに対する想いが伝わって奇跡が起こったのか……


どちらかは分からないがみんなの期待を裏切り、合格することができた。




そんなことを考えていると、ようやくあたしを降ろしてくれた。地に足がついているだけで、すごくほっとする……



ハズだったんだけど――








「なんで机の上なの…?」



< 16 / 48 >

この作品をシェア

pagetop