ただ、逢いたくて
「……て」
「…え?」
「やめてぇぇぇえ!!!!!」
「美優?」
「お…願いっ!!やめて、言わないで。それだけは絶対に言わないで!!!やだ…やだよぅ……やだ―――っ!!!」
「おい…?」
「やめて…いやぁぁ!!」
「どうした…?」
「言わないでぇぇ!!!!!」
「美優っ!!」
過去を彷惶って、狂ったように泣き叫ぶあたしを木村くんが現実へと呼び戻した。
「…あ……………っお願ぃ…言わないで」
「……」
「みんなにバラさないで…」
「美優」
「やっ!!」
パシッ
あたしの肩に触れようとした手を反射のように払い退けてしまった。
「美優」
それでも近づいてくる木村くんの手から逃げるように後ろへと下がる
が――…
場所が悪かった
トンッ
後ろを振り向けば背中に当たる資料の山
机の上に乗せられたあたしは、もう逃げることが出来なかった
「美優」