ただ、逢いたくて
「ほら、美優。早く支度しないと遅刻しちゃうよ?」

慌てて時計を見ると、あと15分で家を出ないと遅刻する時間となっていた。


「あぁ〜〜っ!!!!けいちゃん、玄関で待ってて」









その後あたしはなんと10分で支度を済ませ、玄関へと急いだ








「けいちゃん♪お待たせ〜」


扉を開けると、けいちゃんは自転車に跨っていて「相変わらず、早いね」といって笑った。

そんなけいちゃんにまたドキドキするあたし―…。

ぽーとしていると、下から顔を覗かれた。


「どうしたの、美優?まだ眠い?」


悪戯に笑いながら上目使いで見てくる。

ドキッ

頬が赤く染まって、カァと体が熱くなった。恥ずかしい姿を見られたくなくて、首を横に振り急いで自転車の後ろに座った。

けいちゃんはそんなあたしを見てまた笑っている。


「けいちゃん!!!笑ってないで早く行こっ」


そう急かすけれど、けいちゃんはまだクスクスと肩を揺らしている。そして、ゆっくりと自転車をこぎ始めた。

と同時にぎゅっと広い背中に腕を回す。

けいちゃんの背中は、大っきくて 、温かくて心地いい。細身だけど、ある程度の筋肉がついてて男を感じる。


静かに頬を背中にぴったりとくっつけて、ひっそりとけいちゃんの音を聞いていた。




< 3 / 48 >

この作品をシェア

pagetop