ただ、逢いたくて

「木村比呂(きむら ひろ)、よろしく」


先生に自己紹介を促されたブルーの瞳の彼は、一言だけ呟くように言った。

短かっ!!と思いながら彼に再び視線を戻すとまた、目が合う。

じ―っとまるで最初から見られてていたかのよう。

あの瞳に吸い込まれるようで、あたしは身動きが出来なくなり、石のように固まってしまった。

でもそれは、ほんの一瞬ですぐに視線は外されたけれど


なに…
どうしてあたしのこと見てたの?どうして、少し哀しみを帯た瞳で見つめるの――?

あたしの勘違いかもしれない。だけど、あまりにも偶然すぎてそう考えてしまう。


目が合っただけでこんなにドキドキするのは、彼が綺麗でイケメン君だから?外人みたいな金髪に、ブルーの瞳で見つめられたからドキドキしてるの―…?


けいちゃんとは違うドキドキ…。甘く切ない感情なんかとは全っていて、だけど嫌じゃない。

上手く言えないけど、ドキドキするのは確か。




あたしどうしちゃったの?



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