ただ、逢いたくて
そして放課後――

木村比呂の人気ぶりは今でも劣らず、女達が群がっている姿を横目にさっさと帰る支度を済ませた。

今日けいちゃんは、生徒会の仕事があるって言ってたし……



「亜弥ー、今日カラオケ行かない?」


「いいわよ。でも、美優がカラオケなんて珍しいわね」

「ちょっと、……ね」


チラっと横を見てゲンナリした表情を見せると、あたしの言いたいことが伝わったらしく笑っていた。


「早く行こっ」


教室の扉を開けようと手を掛けたとき――



ガシッ



突然手を捕まれ、そのままあたしを引っ張りながら教室から出ていこうとする。



その手に視線を落とし、また見上げるとそこにはブルーの瞳の彼がいた







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