約束の小指、誓いの薬指。
「なんだよー。結局相葉かよー」


不満をもらす先輩に、選ばれたことに恐縮するかのようにわざとらしく胸に手を当てお辞儀をする。
その姿にまたしても声援がとぶ。


「では選ばれた相葉さん。
こちらに来て、久我さんに一言何かおっしゃってください。
会場の皆さんも準備は良いですね?
では、相葉さんお願いします!」


スポットライトの中心で大勢の観客の注目が集まる中、目の前に愁くんがいて視線がぶつかる。
愁くんも照れているのか緊張なのか、言うのを躊躇っているのがわかる。


愁くんは一回深呼吸したあと、誰もがうっとりするような声で言った。

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