約束の小指、誓いの薬指。
コホン。
富沢がわざとらしい咳払いをする。


「邪魔者を見る目で俺を見るな。

あと、俺の前で幸せオーラを撒き散らさないでくれる?
殺気立つから」


本気の目。
そういえば富沢は、彼女と大喧嘩の真最中だったっけ。


「あ、ごめんごめん」


「謝られるとそれはそれで癪に障るからやめろ」


面倒くさい奴。
一体どうしろというんだ。
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