約束の小指、誓いの薬指。
「そういえば友達は?
一緒に来てたんだろ?」


「うん。
デートの約束を破って来てたから、イベントが終わってから彼氏に会いに行くって連絡が来てた」


友達が倒れたのに、真っ先に彼氏に会いに向かうっていうのはどうなんだ?
まぁ、凛音は友達が心配して来たとしても、デートを優先してくれと言うのだろうけど。だから、凛音がそうしてほしいのなら僕がどうこう言うことでもない。


「イベントはどうだった?
楽しめた?」


「楽しかったよ!
愁くんが呼ばれた時の歓声が一番大きくて、最初で完全に飲み込まれた。

愁くんの新たな一面を見ることができたよ。行って良かった」


ほっとした。
これでもステージ上では緊張していた。
好きな人に見られていると思うと、プレッシャーもあるし良い所を見せたいという思いも少なからず出てきていた。
凛音が楽しめたのなら、僕も呼んでよかったと思える。
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