約束の小指、誓いの薬指。
聞こえてきたのは笑顔を浮かべているのがよくわかる声だった。
「え!本当か!?
おめでとう!」
電話の相手はその会社の人で、面接担当ではなかったが、凛音が親しくなった女性社員らしい。
すぐに知らせてあげたいというその人の親切心により、内定の連絡を受けることとなった。
「えへへ。
愁くんが励ましてくれたお陰だね」
「凛音が頑張ったからだよ。
凄いよ、本当に」
しみじみと。
なんだか感慨深い。
夢に向かって着実に歩んでいく凛音を、隣で見守れることが何よりも幸福だ。
この時はただその幸福な時間に身を任せていた。
しかし、この幸せが永遠に続くものではないと覚悟はしていた。
幸せの中でも、頭の片隅にいつも不安を抱えていた。
周囲に隠しだてしている以上、どこかでほつれが出てくるものだと。
だけど僕は知らなかったんだ。
そのほつれを上手く処理しなければ、より絡まって二度とほどけなくなってしまうということを…。
「え!本当か!?
おめでとう!」
電話の相手はその会社の人で、面接担当ではなかったが、凛音が親しくなった女性社員らしい。
すぐに知らせてあげたいというその人の親切心により、内定の連絡を受けることとなった。
「えへへ。
愁くんが励ましてくれたお陰だね」
「凛音が頑張ったからだよ。
凄いよ、本当に」
しみじみと。
なんだか感慨深い。
夢に向かって着実に歩んでいく凛音を、隣で見守れることが何よりも幸福だ。
この時はただその幸福な時間に身を任せていた。
しかし、この幸せが永遠に続くものではないと覚悟はしていた。
幸せの中でも、頭の片隅にいつも不安を抱えていた。
周囲に隠しだてしている以上、どこかでほつれが出てくるものだと。
だけど僕は知らなかったんだ。
そのほつれを上手く処理しなければ、より絡まって二度とほどけなくなってしまうということを…。