約束の小指、誓いの薬指。
だが、本当にそれが要求だとしたら…。


「そんな要求飲む気はさらさら無い。

だけど…さもなければ、どうなるんだろう?」


「さあな。そこは無限に考えられるだろ。
お前に嫌がらせをするとか、久我さんに嫌がらせをするとか。


…この写真を週刊誌に売るとかネットに流すとか」


確かにそうだ。
考えてみれば嫌がらせの相手も方法も何通りだってある。


富沢が少し時間をあけて週刊誌に売るとかネットに流すという可能性を挙げたのは、それが一番厄介で考えたくなかったからだろう。


僕も同じだ。
マスコミに目をつけられるとなると、まず僕たちは日常生活が送りにくくなる。そしてもちろん仕事にもその影響は及ぶ。
さらに冗談ではなく、凛音にまで何か起こるかもしれない。
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