約束の小指、誓いの薬指。
「大島ハルカが次に何をしてくるかわからない以上、こっちも注意を払わないといけない。

相葉の職業は声優なんだし恋愛禁止なんて掟はもちろん無いんだけど、2人には暫く外で会うのは控えてもらいたい。
大島ハルカを刺激しないためにも」


まぁ、当然ながらそれが今打てる最善の手だろう。
頭では富沢に同意するも、心では不服だった。どうして見ず知らずの女の為に僕らの行動が制限されなければならないのか。
しかし、隣で静かに頷く凛音を見たら僕も落ち着くしかなかった。


純粋な凛音のことだ。僕以上に不安を感じていてもおかしくない。
むしろこういう出来事は、本人よりも周囲の人間の方が気にかけるのかもしれない。
もし僕と凛音の立場が逆だったら。
仮に凛音に見知らぬ男から婚姻届が送られてきたら、僕はどんな手を使ってでもその男を突き止めるだろう。
まず怒りが沸き起こるかもしれない。
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