約束の小指、誓いの薬指。
ピンポーン


その時、不意に響いたチャイムの音にびくつく。


来客?
そんな予定はない。荷物が届くなんてこともないはず。


…まさか、遂に愁くんのファンが私の家を突き止めたのだろうか!?


玄関を開けてから数分後、私は手を引かれて外を歩いていた。


「いつまで引きこもってるつもり!?
外に出たら良いことだってあるかもしれないでしょ?
たしかに相葉くんに彼女がいたっていうのはショックだよ?
私だって信じたくないもん。

でも、そんなの本当のことかどうかわかんないんだし、相葉くんがまだ何も言ってないんだから落ち込むにはまだ早いでしょ!」


「え、あぁ…まぁ、そうかな」


チャイムを鳴らしたのは、今日も元気な綾。そしてあっという間に外に連れ出された。
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