約束の小指、誓いの薬指。
連れて来られたのは大学の食堂の一番奥。


「はい、ここに座って」


そう示された席は、見知らぬ男性の向かい側。


ここに座るの?
綾はこの男性とは知り合いなの?
まさか、この人と私をどうにかしようなんて考えてる?


「あとは2人に任せまーす。
ごゆっくり」


「え…」


取り残された私は、この奇妙すぎる状況に戸惑った。
自己紹介くらいはすべきなのか、それとも失礼を承知でさっさと立ち去るべきなのか。

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